繋がり合うこと糸の如し 撚りをかけて固い絆に 浅野撚糸
富山信用金庫のお客様が加盟する「とみしんビジネスクラブ」の講演会で司会を担当いたしました。同クラブは毎回「時の経営者」を富山に招き、会員の資質向上に寄与すべく、意義深い講演会を行なっています。光栄な事に、今回も司会のご指名をいただき、進行役でありながら大いに学ばせていただきました。

今回の講師は岐阜県安八町で、糸に撚りをかけて加工する浅野撚糸株式会社の浅野雅己社長でした。講演では、1967年創業の小規模な下請け企業だった同社が、度重なる経営の危機を、革新的な技術開発とブランド戦略で乗り越えていった実話を、動画を交えてプレゼンされました。

同社が開発したSUPER ZERO という革新的な糸と、これを使った「エアーかおる」というタオルが大ヒットし、全国放送のドキュメンターリーや、全国紙でたびたび特集されている事は、ご存知の方もおられるでしょう。その浅野社長ご自身の話をお聞きし、幾つも胸に刺さるものがありました。
経営が悪化した時廃業する選択もあったが、協力工場を潰せないという強い責任感を貫いた事。海外の安価な製品に負けない、強烈な個性を持つ自社技術を確立する事。さらに最終製品を作るメーカーになり自社ブランドを作り上げる事、など。経営者として実際にこれらをやり抜いた当事者の話は、あまりにもリアルで強烈でした。

刺激を受けると感化されやすい私は、その熱が冷めないうちにと、エアーかおるのタオルが欲しくなり、岐阜県安八町の公式ショップ「エアーかおる本丸」を訪ねました。そこで同社副社長で、エアーかおるのロゴイラストのモデルとなった浅野真美さんに出迎えていただき、さらに詳しくお話を伺う事ができました。そしてバスタオルを買って使っていますが、吸水性と柔らかさが、今まで使っていたタオルとは別世界の心地よさです。

これだけ有名な企業で、ショップが併設されていることもあり、全国から視察や買い物ツアーのお客様が訪れるそうで、なんと浅野家の母屋の一部をカフェスペースとして開放し、荘厳な日本建築と美しい庭を眺めながら、時間を過ごすことができる設になっていました。
浅野撚糸の凄い所は他にも数多くありますが、私が一番感じたのは、人と人とを結びつけていく、まさに糸そのもののような企業だということでした。私もその糸に括られ、あっという間に同社と製品のファンになりましたが、さらにこの関係に「撚り」をかけて強固にしていくのが、浅野撚糸の真骨頂。繋がり合うこと糸の如し、撚りをかけて固い絆へ。感動の出会いでした。
併せて、今回のご縁を糸の如く結びつけて下さった富山信用金庫様に厚くお礼申し上げます。